「もう限界」 京都の叡山電鉄、訪日客殺到で「積み残し」発生! 2両編成が突きつけた紅葉観光の現実、観光客分散策も裏目に
紅葉シーズンの京都・洛北では、叡山電鉄が訪日客のラッシュに直面している。乗車拒否が出るほどの大混雑の影響で、地域住民の生活にも支障が出ている。さらに、観光地分散を目指した施策が逆効果となる事態も発生。2両編成や単線運行といった「限界インフラ」が抱える課題を、データを交えて詳しく解説する。
施設面では対応に限界

貴船口駅で降りた観光客がバスに乗り換えて貴船神社へ向かう府道上黒田貴船線も貴船川に沿って山中を抜ける狭い道路で、普通車の対向やバスの通行がやっと。
土産物店や旅館が沿道に並び、拡幅の余地もない。紅葉シーズンの渋滞は常態化している。叡山電鉄運輸課は
「積み残しを発生させたことは申し訳ないが、少人数の会社でできることに限界がある。紅葉シーズンにこれ以上の人が押し寄せたのでは対応のしようがない」
と苦しい胸の内を打ち明けた。
沿線は最北の鞍馬駅からでも四条河原町など市中心部へ電車を乗り継いで約40分。
交通の便が悪くない上、豊富な観光資源を持つだけに、訪日客をさらに魅了する可能性を秘めている。官民を挙げた対策の検討が迫られそうだ。