昭和の日本人はなぜ海外で“暴走”したのか? 90年代まで続いた「売春ツアー」、経済大国の蛮行が現代に問いかけるものとは
1960年代、日本の経済成長とともに、売春ツアーが東南アジアでまん延。現地女性を商品化し、週刊誌で暴露されると、国際社会から非難が殺到。経済大国の傲慢が生んだ悲劇は、今のインバウンド問題にも影響を与え続けている。
日本の尊厳を問う現状

現在、日本は“歴史の皮肉”ともいえる転換点に立っている。
かつて「買う側」だった日本が、今や「買われる側」となり、その立場は完全に逆転した。過去に日本人観光客が行っていた行為が、
「いかに相手国の人々の心を傷つけ、尊厳を踏みにじってきたのか」
その痛みを、私たちは今、身をもって理解している。
新宿で起きていることは、決してひとごとではない。円安を背景に、インバウンドの性的観光の対象になっている現状は、
「日本人の尊厳」
にも関わる問題だ。SNSで広がる日本の歓楽街の様子は、日本を安価な快楽を提供する場所のように描いている。
しかし、この苦しみには深い学びが隠れている。かつて経済大国だった日本が無自覚に他国の人々に与えてきた屈辱と苦痛。その重みを、今、私たちは実感として理解しつつある。相手の立場に立って考えることの重要性を、歴史は皮肉な形で私たちに教えているのだ。