「思いやり駐車場」 、約9割の人が「よく知らない」という残念現実! すごく便利なのになぜか
「思いやり駐車場」の認知度が低く、誤利用が後を絶たない現状。JAF調査によると、優先駐車場を利用した13%が注意を受ける結果に。妊産婦や高齢者、障がい者のためのこの制度、実はもっと広く知れ渡るべきである。
認知度の低い制度
公共施設や商業施設の駐車場には、バリアフリー法(高齢者、障がい者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)に基づき「車椅子使用者駐車施設」が設置されている。これらの駐車スペースは、車いすを使用する人たちが利用しやすいように施設の入り口付近に配置されるが、ときには一般人が駐車してしまうことがあり、結果として必要な人が駐車できない状況が発生している。
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この問題に対応するため、各地方公共団体は「障害者等用駐車区画」の適正利用を促す「パーキング・パーミット制度」を導入している。この制度では次の人たちが利用できる対象者として指定されている。
・障がい者
・介護が必要な高齢者
・妊産婦
・けが人
これらの人たちは、歩行が困難な場合に限り、専用の駐車スペースを利用できる。こうした駐車スペースは
「思いやり駐車場」
とも呼ばれるが、認知度が低いため、広く利用されているとはいえない。日本自動車連盟(JAF)が2022年1月25日~2月28日に実施した「思いやり駐車場に関するアンケート」では、回答者の約90%が
「少し知っている」
「ほとんど知らない」
「全く知らない」
と答え、制度への認知度が低いことが明らかになった。
このように、制度の認知度は低いが、妊産婦も対象に含まれているため、子育て世帯にとっても有効な制度である可能性がある。そこで本記事では、パーキング・パーミット制度について、一児の母でもある筆者(小島聖夏、フリーライター)が自らの視点で考えていきたい。