日本のトイレ・自販機・コンビニが示す抜群の安心感【連載】平和ボケ観光論(3)
日本の平和ボケが観光資源として注目を集めている。増加するインバウンド客は、安心感や便利さを求めて日本を訪れており、特にトイレの充実、自販機の普及、そしてひとり客に優しい外食文化が魅力とされている。しかし、この平和ボケには意外な落とし穴もある。
選ばれる店舗トップはコンビニエンスストア

日本では、約5万5000店のコンビニエンスストアと約2万3000店のドラッグストアが全国に広く展開されている。旅行中に必要なもののほとんどが、この二つの店舗で手に入るという安心感が、訪日客に大きな信頼を与えている。
空港や駅の店舗は品揃えが限られる場合もあるが、街中の店舗には生活必需品が豊富に揃い、非常に便利だ。多くの店舗が24時間営業しているため、夜間や早朝の移動でも必要なものをすぐに入手できる。この拠点の充実により、旅行者は「もしもの備え」を自ら持ち歩く負担から解放され、より身軽に街を回れる。
国土交通省観光庁の「訪日外国人の消費動向」(2023年)によると、訪日外国人が最も利用する買い物場所はコンビニで77.2%に達する。次いで空港の免税店(58.6%)、百貨店・デパート(56.1%)、ドラッグストア(52.0%)、スーパーマーケット(45.0%)の順となる。
ドラッグストアでは、日本限定のお菓子などが土産として人気だ。また日本製の衛生用品も支持されており、生理用品やコンドームの購入が増えている。コロナ禍の後、コンドームの需要は急増し、製造するニチバンやオカモトの業績回復と株価上昇にもつながった。日常品の質の高さと、いつでも安全に購入できる環境が、日本滞在の満足度を底上げしている。
どこへ行っても質の高いサービスを受けられ、深夜まで安心して買い物できる。このような生活環境は、旅行者の防衛本能を解除し、滞在中の行動範囲を大きく広げる役割を果たしている。