北陸新幹線「小浜・京都ルート」 ついに京都府議会自民党から「NO」の声! しかしなぜか要望書は再提出、もしや“内部分裂”の危機なのか?

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北陸新幹線の大阪延伸を巡り、小浜・京都ルートか米原ルートかで議論が続くなか、京都府議会の自民党会派からも小浜・京都ルートに反対する意見が出た。推進派は2025年度の着工を目指しているが、状況はますます複雑になっている。

財政制度等審議会から厳しい意見

北陸新幹線停車駅の候補に挙がる桂川駅(画像:高田泰)
北陸新幹線停車駅の候補に挙がる桂川駅(画像:高田泰)

 小浜・京都ルートは敦賀駅から小浜市へ西進したあと、地下を通って京都市へ南下、京都府京田辺市付近を経由して大阪市淀川区の新大阪駅へ向かう。途中駅は小浜市の東小浜駅付近、京都市下京区の京都駅付近2案と京都市南区の桂川駅付近のいずれか、京田辺市の松井山手駅付近の計3か所に設ける計画だ。

 与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームが2016年に決めたが、沿線住民らの反対運動により京都府内で環境アセスメントが遅れ、着工のめどが立っていない。このため、石川県議会や石川県小松市、加賀市、金沢経済同友会、日本維新の会などが米原ルートへの変更を求めている。

 国の財政支出の面からも小浜・京都ルートに厳しい意見が出てきた。財務相の諮問機関である財政制度等審議会の分科会が10月末、整備新幹線について議論し、着工5条件の維持を主張したことだ。

 着工5条件には投資効果が含まれる。投資効果は事業で得られる便益を総費用で割った費用便益比で判断され、数値が1以上なら投資効果があるとされる。小浜・京都ルートは2016年の試算でぎりぎりの

「1.1」

事業費が2倍以上になれば、投資に見合わない1以下になるとみられる。

 与党整備委員会は計算手法の見直しで1以上の数値を確保したい考え。分科会の主張はこれにくぎを刺す狙いも透けて見える。分科会の主張が財務省の方針に100%なるとはいい切れないものの、小浜・京都ルート推進派には新たな“難敵”の登場だ。

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