大阪万博で未来が変わる? 「水素燃料電池船」が海運業界の常識を打破するかもしれない根本理由
大阪・関西万博で未来を運ぶ主役が登場する。排出物ゼロの「水素燃料電池船」が夢洲へのアクセスを担う予定だ。全長30mのこの船は、環境への配慮と快適性を両立させており、海運業界に革命をもたらす可能性を秘めている。
技術的課題と水素供給インフラの壁

水素燃料電池船は、従来の内燃機関と比べて、
・におい
・振動
・騒音
が少ないため、優れた快適性を提供できる。水素は他の気体と同様に圧縮されてタンクに貯蔵され、必要に応じて使用される。
今回導入される水素燃料電池船も、圧縮水素とリチウムイオンバッテリーを採用することが発表されている。一方、他の水素の貯蔵方法として液化水素もあるが、技術的には難しい。液化水素を使用するには、マイナス253度まで冷却した後、タンクを断熱して低温を保ちながら蒸発を抑える必要があり、さらにコストもかかる。
水素燃料電池船にはいくつかの課題がある。
まず、水素の安全な貯蔵と輸送に関する技術的な問題が挙げられる。水素は非常に軽く、燃焼性が高いため、高圧ガスとして貯蔵・輸送する際には安全対策が欠かせない。また、現在の水素供給インフラは十分に整備されていないため、大規模な商業化にはさらなるインフラの整備が必要だ。さらに、水素燃料電池の開発コストも高いため、技術の進展とコスト削減が今後の課題となる。
現在は、小型の内航旅客船やプレジャーボートを対象に水素燃料船の開発や実証が進んでいる。出力やタンク容量に制約があるため、短距離で小型船の利用に適しており、長距離運航や大出力が求められる大型の外交船では、水素燃料電池の実現は難しいとされている。