大阪万博で未来が変わる? 「水素燃料電池船」が海運業界の常識を打破するかもしれない根本理由
夢洲アクセスに水素船
2025年4月から10月にかけて、大阪・関西万博が開催される。
【無料セミナー】「自動車DXサミット vol.3」 三菱ふそう KTC マツダ登壇 Amazonギフトカードプレゼント〈PR〉
この万博の会場である夢洲へのアクセス手段として、「水素燃料電池船」の導入が発表された。温室効果ガス(GHG)排出削減が求められる今、水素燃料電池は排出物が水のみであることから、環境に優しいクリーンなエネルギー源として注目を浴びている。
水素燃料電池とはどのような技術で、また水素燃料電池船が今後普及するためにはどのような課題があるのか。
関西企業連携で完成
2025年4月から10月にかけて、大阪で日本では2005(平成17)年の愛・地球博(愛知県)以来となる万博が開催される。メイン会場である夢洲への移動手段としては、通常、電車やバスが一般的だが、この万博期間中には新型の水素燃料電池船が導入されることが発表された。
海運業界では、環境保護の観点からGHG排出削減が求められており、国際海事機関(IMO)は2030年までに2008年比で40%のCO2削減、2050年までにGHG排出ゼロという戦略を採択している。水素燃料電池船は二酸化炭素を排出しないため、GHG削減戦略の重要な一環として注目されている。
この新型水素燃料電池船は、岩谷産業(大阪市中央区)をはじめ、
・関西電力(大阪市北区)
・東京海洋大学(東京都港区)
・名村造船所(大阪市西区)
との共同開発により進められてきた。2024年10月24日に完成が発表された。船の主な仕様は次のとおり。
・長さ:約30m
・幅:8.0m
・深さ:2.5m
・総トン数:約120t
・定員:150人
船体のデザインは、世界的に有名なカーデザイナーの山本卓身氏が手掛けている。航路は中之島ゲートからユニバーサルシティポートを経由し、夢洲まで結ばれ、万博来場者の輸送を担うことになる。