大阪万博で未来が変わる? 「水素燃料電池船」が海運業界の常識を打破するかもしれない根本理由
大阪・関西万博で未来を運ぶ主役が登場する。排出物ゼロの「水素燃料電池船」が夢洲へのアクセスを担う予定だ。全長30mのこの船は、環境への配慮と快適性を両立させており、海運業界に革命をもたらす可能性を秘めている。
水素燃料電池の仕組み

水素燃料電池は、水素と酸素の化学反応を利用して電気を発生させる装置だ。この反応で排出されるのは水だけなので、環境に優しいエネルギー源として注目されている。
従来の燃料は熱を発生させてから発電を行うが、水素燃料電池は直接電気を取り出すため、効率がよいとされている。また、酸素は空気中から取り込めるため、水素が供給される限り、発電を続けることができる。
その仕組みは、水の電気分解を“逆”にしたものだ。
タンク内の水素分子がマイナス電極の触媒で水素原子に分解され、水素原子は水素イオンと電子に分かれる。電子は電極に送られ、その後水素イオンは電解質を通ってプラス電極へ移動する。
プラス電極では酸素分子が外部回路から電子を受け取って酸素イオンになり、電解質を通ってきた水素イオンと結びついて水を作る。このとき、マイナス極から取り出された電子が外部回路を通ってプラス極へ移動し、電流が流れて発電が行われる。
水素燃料電池は小規模でも高い発電効率を実現でき、排出物がクリーンなため、乗用車やバスはもちろん、工場やオフィスビルなどの発電機としても利用され始めている。