「シートベルト = 命を守る」は過信だった? 福岡事故で明らかになった、子どもを守るための新しい基準とは

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2024年8月、福岡市で起きた悲しい交通事故で、7歳と5歳の女児が命を落とした。ふたりはシートベルトを着用していたが、衝撃を受けて死亡した。その原因は何だったのだろうか。この事故を通じて、子どもに適切な安全対策を講じる重要性と、シートベルトが子どもには必ずしも適切でない場合があることが明らかになった。

チャイルドシート未使用が招いた悲劇

小さい子どもにとって意外と危険なシートベルト(画像:写真AC)
小さい子どもにとって意外と危険なシートベルト(画像:写真AC)

 こども家庭庁は、2024年3月26日に開催された「こどもの事故防止に関する関係府省庁連絡会議」で、「こどもの不慮の事故の発生傾向と対策等」という資料を発表した。この資料によると、1歳以上の子どもが不慮の事故で亡くなる原因の中で最も多いのは交通事故であることがわかった。

 資料には、自動車使用時の子どもの事故の特徴と対策についても記載されており、

「シートベルトを適切に着用できない体格の小さな子どもを守るにはチャイルドシートが必要であり、運転者はチャイルドシートを使用しない6歳未満の幼児を乗せて運転してはならないと法律で定められている」

と書かれている。

 そのため、今回の事故で母親は5歳の女児にチャイルドシートを使用させるべきだったが、実際には使用していなかったことが死亡の原因になった可能性がある。

 さらに、7歳の女児はシートベルトを着用していたにもかかわらず命を落としている。この場合、どのような原因が考えられるのだろうか。

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