「シートベルト = 命を守る」は過信だった? 福岡事故で明らかになった、子どもを守るための新しい基準とは
2024年8月、福岡市で起きた悲しい交通事故で、7歳と5歳の女児が命を落とした。ふたりはシートベルトを着用していたが、衝撃を受けて死亡した。その原因は何だったのだろうか。この事故を通じて、子どもに適切な安全対策を講じる重要性と、シートベルトが子どもには必ずしも適切でない場合があることが明らかになった。
シートベルト着用でも守れなかった命
2024年8月18日、福岡県福岡市の国道で、軽乗用車と路線バスが正面衝突する事故が発生した。この事故で、7歳と5歳の女児が命を落とした。ふたりは母親が運転する車の後部座席に座っており、シートベルトを着用していたが、腹部に強い衝撃を受けて死亡した。
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警察庁のデータによると、2014年から2023年の間の「自動車後部座席同乗中死傷者のシートベルト着用・非着用別致死率(死傷者数に占める死者数の割合)」では、シートベルトを着用していない場合、致死率が
・一般道:約3.3倍
・高速道路:約25.9倍
となっている。このデータから、シートベルトを着用することで致死率を大きく減らせることがわかる。しかし、残念ながらこのふたりの子どもたちは命を奪われてしまった。
なぜこのような悲劇が起こったのか。どんな点に注意すれば、このような結末を避けられたのか。筆者(小島聖夏、フリーライター)は、一児の母親の視点でその原因を考えてみたい。