中東の航空会社がこぞって「欧州サッカーチーム」のスポンサーになっている根本理由
サッカーでブランド強化

航空会社にとって、世界中にファンを持つ欧州のサッカークラブと提携することで、ブランドの認知度を大きく高めることができる。特に中東の航空会社にとって、欧州市場は重要であり、ドバイやアブダビ、ドーハからの乗り継ぎ需要を拡大するためには、欧州でのプレゼンスを強化することが不可欠だ。
しかし、2000年代のテロ事件が影響し、アラブ諸国のイメージは悪化し、ビジネスにも影響を及ぼした。例えば、UAEの公営企業が米国の港湾運営権を買収しようとした際、米国大統領の賛成を得ていたにもかかわらず、安全保障上の懸念から議会の反対を受け、最終的に断念した。このような背景から、
「欧米諸国の世論を味方につける」
ことが重要になり、スポーツインフラへの投資が活発になった。その一環として、航空会社とサッカークラブは単なるユニホームスポンサーシップにとどまらず、共同で大規模なキャンペーンを展開するようになった。
例えば、エミレーツ航空はアーセナルのサポーター向けに「グローバル・ガナーズ」キャンペーンを実施し、無料の航空券や観戦チケットを提供する抽選会を行った。このようなアクションで、アーセナルの世界中のファンにアピールすることに成功している。
さらに、航空会社だけでなく、就航している国や地域にとっても、ブランド力のあるサッカーチームとの提携は大きな意味を持つ。例えば、レアル・マドリードはドバイ政府の観光キャンペーン「Visit Dubai」のスポンサーとなり、ドバイを「オフィシャル・ディスティネーション」として宣伝している。
さらに、同クラブの本拠地スタジアムで「Visit Dubai」の看板を掲げるとともに、ドバイにレアル・マドリードのテーマパークを開業する計画も発表しており、双方にとって重要なビジネス関係となっている。