気づいたら減速? ドライバーが自然にスピードダウンする「視覚トリック」をご存じか
視覚的錯覚を利用してドライバーの減速を促す「イメージハンプ」が、事故防止に効果を上げている。広島市では設置後、速度が時速25.1kmから22.9kmに減少。ハンプの設置には工事が必要だが、ソリッドシートなら手軽に設置可能。さらに、錯視技術を使った「オプティカル・ドット」も注目され、今後の普及が期待される。
リアルな世界で安全を生み出す錯視

制限速度や一時停止を示す道路標識は街中でよく見かけるが、多くのドライバーはそれらの標識を認識していても、実際には守れていないことが多い。しかし、錯視をうまく利用したイメージハンプは、これらの標識とは異なり、ドライバーの
「感覚」
に働きかけるため、事故防止に役立っている。
道路が狭くなれば自然と減速したくなる心理を利用し、疑似的にそのような状況を作り出して減速を促している。これは「減速しなければならない」という強制的な意識ではなく、ドライバーが自然に速度を落とすことを引き起こすため、効果が高いといえるだろう。
ただし、錯視を利用したバーチャルな手法なので、
「ドライバーが慣れてしまう」
と効果が薄れるという弱点がある。しかし、施工が簡単で、実際にハンプを設置するよりもコストが抑えられるため、効果が薄れてきた場合には、デザインを変更するなどして改善できる可能性がある。