「高速料金」負担は誰の責任? 各トラック協会も分裂する「新深夜割引」の裏事情、物流ジャーナリストが物申す
「新深夜割引」見直し論議の舞台裏

前出の日昇会では、興味深いやり取りがあった。
1.高速道路における新深夜割引制度の見直しを訴える中小運送会社側。
2.それに対し、国土交通省の担当者は、「新深夜割引制度については、全日本トラック協会も参加し、議論を重ねたうえで決定したものだと」と反論。
3.このやり取りを経て、ある国会議員が、以下の発言をした。
a.新深夜割引制度の議論については、全日本トラック協会と国土交通省内の道路局は参加していたが、国土交通省 物流・自動車局は参加していない。
b.あの新深夜割引制度については、全日本トラック協会側がお願いしたものだったが、傘下の都道府県トラック協会からは、新制度についての不満が上がった。つまりトラック協会内でも意見の相違があった。
c.だからこそ、「みんなで議論する」ということをもっと大事にするべきだったのではないか。
もしこの話が本当なら、新深夜割引制度の議論は十分ではなかったし、運送業界にも責任があるといえるだろう。
ここまでグダグダな状況なら、新深夜割引制度はいったん保留にするべきだと感じる。とはいえ、新制度を始めるにあたって、高速道路に多数の自動料金収受システム(ETC)無線通信専用アンテナを新設する計画もあり、もはや引き返せない状態に陥っているのかもしれない。
話を元に戻すと、2025年から始まる新深夜割引制度は、運送ビジネスの利益にはつながらず、トラックドライバーの
「労働環境を悪化させる」
おかしなものだ。ただ、運送業界は
「何に反対するべきなのか」
をしっかり見極める必要がある。改善を要求すべき相手には、高速道路公団だけでなく、長年にわたり運送事業者を苦しめてきた荷主側も含まれるべきではないだろうか。
もしかすると、運送業界が新深夜割引制度に反対しているのを見て
「やれやれ、こちらに矛先が向かなくてよかった」
と安心している荷主もいるかもしれない。
今こそ何を議論し、何を主張すべきか。運送事業者と業界全体が、自分たちの行動を見直すべきときだ。