中ロ艦艇通過で防衛懸念も 「津軽海峡」は物流ポテンシャルも凄かった
ロシア海軍の艦艇4隻が3月15~16日に通過した津軽海峡。国際法上は外国艦艇でも自由に通過できるようになっている同海峡だが、実は新たな物流拠点となることを期待されている。
北海道と青森県の試み

こうしたなか、津軽海峡両岸の青森県・北海道では、津軽海峡を利用した新たな物流拠点となることを模索してきた。例えば青森県では、八戸港や青森港を使ったラストポート化がある。ラストポートとは、出荷の際の最終積み込み港のことだ。
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ラストポートでは、最初の入港地(ファーストポート)より5日ほど遅れて荷物を載せられるため、輸出関連産業は生産面や輸送面で効率化を図ることができる(『東奥日報』2013年12月14日付朝刊)。
津軽海峡を通過し、日本を素通りするコンテナ船の寄港地となれば、物流拠点化もより促進されると考えたのだ。現在のコンテナ船の数は週60隻程度のため、十分に活用ができる。北海道では、中国の経済発展により道内の農産物輸出が増加しているため、青森県よりも寄港が期待されている。
北海道の開発行政に関連した調査などを行う寒地土木研究所(札幌市)によれば、中国の大連とアメリカのロングビーチを結ぶコンテナ船が、苫小牧港に寄港して荷役を行った場合、増加時間は12時間だ。
しかし、船速を上げることで従来ダイヤへの影響を回避できるとしている。船速を従来の平均18.8ktから19.3ktに上げることで、大連~ロングビーチ間は従来の13日のままで運行できるのだ。
ただ、北海道産品の需要増だけでは寄港頻度は上がらない。同研究所は、苫小牧港への寄港を促進するために、港湾使用料の免除なども含めて船会社に要請することを提案している。