ロマンスカーミュージアムも危機に? 「博物館法改正」の光と影、デジタル化時代で問われる文化施設の存続とは

キーワード :
, ,
10月14日の「鉄道の日」を中心に、全国の鉄道関連施設がイベントで盛り上がっている。特に、博物館法の改正後に初めて「登録博物館」となった神奈川県海老名市のロマンスカーミュージアムをはじめ、全国の交通関連博物館が改めて注目されている。しかし、博物館運営は依然として厳しく、文化を継承するためにどう支援を確保していくかが今後の課題だ。

ロマンスカーミュージアムの魅力

ロマンスカーミュージアム(画像:小田急電鉄)
ロマンスカーミュージアム(画像:小田急電鉄)

 10月14日は、鉄道愛好家にとって重要な記念日である「鉄道の日」だ。この日を中心に、10月、11月は鉄道に関するイベントが多く開催され、鉄道愛好家だけでなく家族連れも忙しくなる時期といえよう。

 例えば、小田急のロマンスカーミュージアム(神奈川県海老名市)では、鉄道の日に3100形(NSE)の展望席を特別解放したとともに、11月18日まで鉄道の日記念プログラム「Romancecar Reborn」を開催している。NSEといえば、ロマンスカーの象徴でもある前面展望席が初めて設けられた車両だ。筆者(ネルソン三浦、フリーライター)が初めてNSEに乗ったとき、自動ドアが当たり前の時代にあって手動の内開きの乗降扉に驚きを隠せなかったが、それでも展望席に座ると、独特の風景や速度感に満足したものだった。

 ロマンスカーミュージアムには、小田急線開業当時の車両のモハ1をはじめ、歴代のロマンスカーが展示してある。JRの鉄道博物館と比較すると決して大きくはないが、ロマンスカー好きや、あまり鉄道に興味がなくても気軽に楽しみたい人には、ちょうどよいサイズ感だと思う。

 ちなみに、ロマンスカーミュージアムは、2024年6月に登録博物館に登録したばかりだ。あまり大きく報道されていないものの、新しい博物館制度下での鉄道会社の博物館としての登録は全国初とのことである。

全てのコメントを見る