EVの「過失事故率」なぜガソリン車より高いのか? 走行距離は短く、安全に運転できるのに――というナゾ

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EVへの移行が進むなかで、維持費や事故リスクの増加が懸念されている。最新の研究によれば、EVの過失事故率は4%増加している。修理費はガソリン車よりも6.7%高く、タイヤのコストも増加している。しかし、燃料費の削減やメンテナンスコストの低下、環境への貢献といった大きなメリットも存在する。社会全体でのエコカー化は、揺るぎないトレンドとなっている。

4%増加していたEVの過失事故

EV充電(画像:Pexels)
EV充電(画像:Pexels)

 研究チームが過失責任の請求を分析した結果、ガソリン車と比較して、

・EVの事故:4%増加
・HVの事故:6%増加

していることがわかった。HVの高い事故率が気になるが、統計モデル(ロジスティック回帰モデル)を修正すると、HVの懸念は解消されるという。しかし、EVの事故率はそのまま残る。つまり、EVは

・走行距離が短く
・安全運転である

にもかかわらず、ガソリン車よりも

・過失事故が多く

発生しているのだ。今後、EVの平均走行距離が増えると、さらに事故が増える可能性もある。

 EVのモーターとガソリン車のエンジンでは、パワーが出るトルクの特性が異なる。EVはスタート時や加速時の反応が鋭く、ガソリン車の運転に慣れたドライバーは、EVの運転に適応するのに時間がかかるとも考えられる。

 もちろん、事故を必要以上に恐れることはないが、EVへの乗り換えで事故が増えているという今回の研究結果は、該当するドライバーが頭の片隅に置いておくべきことだろう。

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