EVの「過失事故率」なぜガソリン車より高いのか? 走行距離は短く、安全に運転できるのに――というナゾ

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EVへの移行が進むなかで、維持費や事故リスクの増加が懸念されている。最新の研究によれば、EVの過失事故率は4%増加している。修理費はガソリン車よりも6.7%高く、タイヤのコストも増加している。しかし、燃料費の削減やメンテナンスコストの低下、環境への貢献といった大きなメリットも存在する。社会全体でのエコカー化は、揺るぎないトレンドとなっている。

EV修理費、ガソリン車より6.7%高

EV(画像:Pexels)
EV(画像:Pexels)

 総合的な維持費を考慮すると、事故で自損した際のEVの修理費用の高さが今回の研究でも指摘されている。

 調査によると、事故でダメージを受けたEVとHVの3分の1以上が、1000ユーロ(約16万円)を超える損害を被っていることがわかった。この修理費用はガソリン車よりも

「6.7%高い」

という。

 さらに、EVのタイヤのコストについても懸念されている。EVは同サイズのガソリン車に比べて平均で約30%クルマ重が増えているため、同じタイヤを使うと摩耗が早くなる。

 もちろん、積載する荷物の量や走行スタイルによってもタイヤの摩耗は変わるが、重いEVのほうが相対的に摩耗しやすいのは事実だ。摩耗耐性を強化したEV専用のタイヤも開発されているが、一般的なタイヤよりも価格は高い。

 自動車保険についても見てみよう。基本的に自動車保険料においてEVとガソリン車の区別はないが、実際にはEVのほうが若干保険料が高いとされている。これは、同じサイズのモデルであれば、平均的にガソリン車よりもEVのほうが車両価格が高いためだ。

 今後、もしEVの事故率の高さが認められると、EV用の保険料が設定される可能性もある。実際に、中国では2021年末から新エネルギー車(NEV)専用の自動車保険が販売されており、同クラスのガソリン車と比べて保険料が1~2割高いといわれている。保険の更新時に大幅な値上げが行われたとの報告もある。

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