「高級料理 = タクシーで届ける」 プロのドライバーがもたらす安心感とプレミア感、業界はニッチなニーズ対応で危機乗り越えよ

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2023年度のタクシー事業者の倒産件数は33件に達し、前年から約1.2倍増加した。そんななか、高齢者や子育て世代のニーズに応える「墓参りタクシー」「子育てタクシー」「デリバリータクシー」が新たな活用法として注目されている。これらのサービスは地域生活の困りごとを解決する可能性を広げている。

さまざまなタクシーサービスの広がり

第一交通産業のウェブサイト(画像:第一交通産業)
第一交通産業のウェブサイト(画像:第一交通産業)

 ということで、地域生活におけるタクシーの活用事例について見ていこう。今回は、

・墓参りタクシー
・子育てタクシー
・デリバリータクシー

の三つについて解説する。

●墓参りタクシー
 車を走らせたり、列車の車窓から景色を見たりしていると、寺ではない不便な場所に墓があるのをよく目にすることがある。なかには、急で狭い道の途中にあるため、高齢者や子連れが簡単に行けない墓もある。

 運転に自信がなくなったり、免許を返納した場合、墓が遠いことや多忙のために墓参りに行けないことがある。また、高齢者が障がいや病気、けががひどくなり、墓参りや墓掃除ができなくなることも多い。こうした理由から、墓参に関するさまざまな生活上の悩みが生じている。

 こうした問題を解消するために、墓参りを代行するタクシーが登場している。例えば、第一交通産業(福岡県北九州市)では、

・合掌(事前・事後)
・簡単な掃除(水鉢、花立て、線香台)
・線香の供え
・写真撮影(事前・事後)
・報告書の提出

を行うサービスを提供している。他の事業者でも同様のサービスが増えており、なかには、墓参りのセットを用意し、手ぶらで墓参りに連れて行く事業者もある。高齢者にとって、墓参りの心身の負担が軽減されるうれしいサービスとなっている。

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