「高級料理 = タクシーで届ける」 プロのドライバーがもたらす安心感とプレミア感、業界はニッチなニーズ対応で危機乗り越えよ

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2023年度のタクシー事業者の倒産件数は33件に達し、前年から約1.2倍増加した。そんななか、高齢者や子育て世代のニーズに応える「墓参りタクシー」「子育てタクシー」「デリバリータクシー」が新たな活用法として注目されている。これらのサービスは地域生活の困りごとを解決する可能性を広げている。

インバウンド需要回復も人手不足

タクシー(画像:写真AC)
タクシー(画像:写真AC)

 帝国データバンクによると、2023年度のタクシー事業者の倒産件数は全国で33件に達した。2022年度は28件だったので、約1.2倍だ。事業者の数は徐々に減少している。

 2011(平成23)年度には36件が倒産し、その後もコロナ禍の3年間で状況はさらに悪化。タクシー業界は厳しい状況に追い込まれている。

 コロナ禍が落ち着き、

・インバウンド需要
・ビジネスでの移動

が増えつつあるが、その一方で、コロナ禍中に十分な収入を得られず、タクシードライバーを辞めた人も多い。なかには車両があるのに、ドライバーがいないために事業を続けられず、廃業に追い込まれる事業者も出てきた。

 さらに、燃料代の高騰が収益を圧迫し、タクシー業界は経営的に厳しい状況にある。こうした悪条件を打開するには、

「新しいサービスデザイン」

が必要だ。

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