「高級料理 = タクシーで届ける」 プロのドライバーがもたらす安心感とプレミア感、業界はニッチなニーズ対応で危機乗り越えよ

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2023年度のタクシー事業者の倒産件数は33件に達し、前年から約1.2倍増加した。そんななか、高齢者や子育て世代のニーズに応える「墓参りタクシー」「子育てタクシー」「デリバリータクシー」が新たな活用法として注目されている。これらのサービスは地域生活の困りごとを解決する可能性を広げている。

タクシー活用が地方を救う

山村のイメージ(画像:写真AC)
山村のイメージ(画像:写真AC)

 タクシーの魅力は、運転のプロが自分の行きたい場所に連れて行ってくれることだ。一方で、運転のプロだからこそ、免許を返納したり運転への自信を失ったりした場合に、自分の移動を代行してもらえる可能性もある。

 筆者(北條慶太、交通経済ライター)の親戚は四国のある山村に住んでいるが、高齢のため、

・予約した弁当や生活用品の引き取り
・墓参り
・銀行の出張所でのお金の引き落とし

などをする際に、タクシーを待たせて自宅との往復をしている。その場に同行したことがあるが、タクシーの活用シーンは地方では増えていることがわかった。

 高齢になるにつれて、タクシーのドライバーに代わりにやってもらいたいことも増えてくる。お金のやり取りには不安を感じることもあるが、生活のなかで代行をお願いしたいことは意外と多いようだ。

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