「高級料理 = タクシーで届ける」 プロのドライバーがもたらす安心感とプレミア感、業界はニッチなニーズ対応で危機乗り越えよ

キーワード :
2023年度のタクシー事業者の倒産件数は33件に達し、前年から約1.2倍増加した。そんななか、高齢者や子育て世代のニーズに応える「墓参りタクシー」「子育てタクシー」「デリバリータクシー」が新たな活用法として注目されている。これらのサービスは地域生活の困りごとを解決する可能性を広げている。

タクシーで実現する子育て支援

日の丸交通のウェブサイト(画像:日の丸交通)
日の丸交通のウェブサイト(画像:日の丸交通)

 ふたつ目は子育てタクシーだ。

●子育てタクシー
 地方都市を訪れると、「子どもの送迎のためにパートの時間を連続して働けず、一時的に上司の許可を取って抜けなければならない」という話を時々聞く。

・自宅と学校の送迎
・放課後の自宅と塾の間の送迎
・自宅とスポーツクラブの間の送迎

など、親が送り迎えをしなければならないケースが増えている。路線バスやスクールバス、送迎バスのドライバー不足がこの問題をさらに深刻化させている。そこで、プロのタクシードライバーにその送迎を任せるのが子育てタクシーだ。

 このサービスは、保護者の送迎を代行するだけでなく、

・緊急時の病院への送迎(急な破水や陣痛時の対応なども含む)
・乳幼児を連れた外出の支援

も行う。これは、子育て支援を目的とした新しいタクシーサービスである。全国子育てタクシー協会が主催する「子育てタクシードライバー養成講座」や保育実習、チャイルドシート取り付け講習を修了した乗務員が運転するタクシーが、子育てタクシーとなる。

 例えば、東京の日の丸交通(東京都文京区)では、子育てタクシーを利用するには一部コースを除き会員登録が必要で、東京23区、三鷹市、武蔵野市を中心にサービスを展開している。大都市でもニーズがあり、今後の発展が期待されている。

全てのコメントを見る