データ改ざんで大注目! そもそも「JR貨物」とは、どんな仕事をしている会社なのか? 意外と知らない謎に迫る

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JR貨物は、車両整備データの改ざんが発覚し、運行を停止する事態に陥った。この影響で、物流全体が揺らいでいる。2025年3月期の売上高は2012億円で前年比6.7%増と好調であり、鉄道ロジスティクス部門も成長を続けている。しかし、信頼回復が急務となっている。

物流網を揺るがすJR貨物の不正発覚

貨物列車(画像:写真AC)
貨物列車(画像:写真AC)

 日本貨物鉄道(JR貨物)が重大な不正行為の発覚により、未曾有(みぞう)の危機に直面している。2024年9月、同社の車両整備で、車輪と車軸の取り付け作業に関するデータが改ざんされていたことが明らかになった。

 この問題を重く見たJR貨物は、9月11日に安全性の確認のため、全国のすべての貨物列車の運行を一時的に停止するという異例の対応を取った。

 運行停止は即座に

「物流網全体」

に影響を及ぼした。ヤマト運輸や佐川急便などの大手運送会社は、鉄道輸送の代替手段を急いで手配しなければならなくなったが、大量の荷物を短時間で別のルートに振り替えるのは非常に難しかった。そのため、多くの企業や店舗で商品の入荷が遅れ、一部の小売店では営業に支障が出るケースも報告された。この事態は、JR貨物が

「日本の物流システムで果たしている重要な役割」

を多くの人々に再認識させる結果となった。

 ただ、こういわれても、JR貨物は一般の人にはあまりなじみのない会社だ。JR東日本やJR東海は知っていても、JR貨物についてよく知らない人も多いだろう。そこで、本稿では今回の不正行為をきっかけに、JR貨物がどのような会社なのかを説明する。

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