ベトナム「バンブー航空」はなぜ急失速したのか? 無謀過ぎた国際展開、元JALの取締役解任3か月という黒歴史も

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バンブー・エアウェイズの急速な縮小は、急激な拡大や長距離国際線進出が経営を圧迫したこと、さらにFLCグループ会長の逮捕が財政に打撃を与えたことが原因だ。ハイブリッドエアライン戦略も競争で不利となり、現在は国内線中心の運航に転換しているが、再建はまだ進行中だ。

日本とベトナム路線の現状

2023年まで運航されていた旧バンブー・エアウェイズのボーイング787-9。(画像:Colin Cooke Photo)
2023年まで運航されていた旧バンブー・エアウェイズのボーイング787-9。(画像:Colin Cooke Photo)

 ビジネスや観光の需要が高まっている日本とベトナムの路線について、2024年8月時点の状況を見てみよう。日本側ではJALとANAが運行しており、ベトナム側ではベトナム航空とベトジェットエアの2社が担当している。

 2023年まで、ベトナム側ではバンブーエアウェイズという航空会社が成田空港に乗り入れていた。同社は勢いのある新興航空会社として注目を集め、一時はベトナム国内でシェアの3番手となるほどだった。

 しかし、2022年以降、経営が急激に悪化し、路線網は縮小してしまった。現在、バンブーエアウェイズは国内運行のみを行っており、依然として混乱が続いている。

 では、なぜバンブーエアウェイズはこんなにも急速に縮小してしまったのか。その理由について、この記事で説明する。

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