ベトナム「バンブー航空」はなぜ急失速したのか? 無謀過ぎた国際展開、元JALの取締役解任3か月という黒歴史も

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バンブー・エアウェイズの急速な縮小は、急激な拡大や長距離国際線進出が経営を圧迫したこと、さらにFLCグループ会長の逮捕が財政に打撃を与えたことが原因だ。ハイブリッドエアライン戦略も競争で不利となり、現在は国内線中心の運航に転換しているが、再建はまだ進行中だ。

急成長の裏側、失敗の教訓

ノイバイ国際空港に就航したバンブー・エアウェイズ初のA321neo。同機種は2019年11月中に段階的に導入され、厳密にはバンブー・エアウェイズが最初に就航させた機種であった。A321neoはその後、段階的に廃止されている(画像:Tokimvuong)
ノイバイ国際空港に就航したバンブー・エアウェイズ初のA321neo。同機種は2019年11月中に段階的に導入され、厳密にはバンブー・エアウェイズが最初に就航させた機種であった。A321neoはその後、段階的に廃止されている(画像:Tokimvuong)

 ここ数年でフラッグキャリア以外の航空会社が長距離国際線を成功させた事例として、マレーシアを中心に展開するエアアジアグループ、インドネシアを拠点とするライオンエアグループ、フィリピンのセブパシフィック航空などがある。

 しかし、これらの会社はいずれも国内や近隣諸国で、各国のフラッグキャリアを脅かすほどのシェアを握り、顧客基盤を確立した上で長距離運行に参入している。

 また、急いで進めるのではなく、比較的距離の近い東南アジアから韓国、日本、台湾などへの路線や、特定の需要があるメッカ巡礼などに限定し、慎重に展開している。

 さらに、米国のサウスウエスト航空やアラスカ航空は近距離機材しか保有せず、路線網も国内線と近隣諸国の路線に限られているが、地域の需要を堅実に固めることで、数十年にわたって大手航空会社の一角を占めるまでになっている。

 これらの事例を踏まえると、バンブー・エアウェイズは就航から数年間は国内で地盤を固める戦略を採るべきだったと、筆者は考える。

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