ベトナム「バンブー航空」はなぜ急失速したのか? 無謀過ぎた国際展開、元JALの取締役解任3か月という黒歴史も

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バンブー・エアウェイズの急速な縮小は、急激な拡大や長距離国際線進出が経営を圧迫したこと、さらにFLCグループ会長の逮捕が財政に打撃を与えたことが原因だ。ハイブリッドエアライン戦略も競争で不利となり、現在は国内線中心の運航に転換しているが、再建はまだ進行中だ。

急速な失速と3兆ドンの赤字

FLCグループのウェブサイト(画像:FLCグループ)
FLCグループのウェブサイト(画像:FLCグループ)

 2022年3月29日、バンブー・エアウェイズの親会社であるFLCグループのチン・バン・クエット会長が、自社株の取引に関連した相場操縦の疑いで逮捕された。この事件の影響はベトナム全体に広がり、他の不動産大手企業の重役も逮捕され、不動産価格が「バブル崩壊」と呼ばれるほど下落するきっかけとなった。

 この騒動により、拡大路線を歩んでいたバンブー・エアウェイズも急失速した。2022年には、3兆2090億ドン(当時のレートで約169億円)という大きな赤字を抱えることになった。FLCグループは2023年3月にバンブー・エアウェイズを売却し、新たな経営者を募集した。そして、2023年6月21日に、経営再建や海外航空会社との提携に関するノウハウを持つJALの大島秀樹氏が会長に就任したが、就任から18日後に辞任し、9月15日には取締役からも解任された。

 その後、ベトナム国内での航空会社経営再建の経験を持つルオン・ホアイ・ナム氏が最高経営責任者(CEO)に就任した。バンブー・エアウェイズは現在も存続しているが、機材はA320シリーズに統一され、B787を使用していたロンドンやフランクフルトなどの長距離国際線からは撤退した。

 また、A320で就航可能な日本、台湾、韓国からの国際線も2023年をもって撤退し、国内線もエンブライル製の航空機を使わなくなったため、路線網は大幅に縮小し、ハノイ、ホーチミン、ダナンなどの主要都市間を結ぶ程度になってしまった。

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