ベトナム「バンブー航空」はなぜ急失速したのか? 無謀過ぎた国際展開、元JALの取締役解任3か月という黒歴史も
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バンブー・エアウェイズの急速な縮小は、急激な拡大や長距離国際線進出が経営を圧迫したこと、さらにFLCグループ会長の逮捕が財政に打撃を与えたことが原因だ。ハイブリッドエアライン戦略も競争で不利となり、現在は国内線中心の運航に転換しているが、再建はまだ進行中だ。
シェア20%を誇る新興航空

バンブー・エアウェイズは、ベトナムの不動産大手FLCグループによって2017年に設立された。2018年7月に運行許可を取得し、2019年1月にはリースされたA320によって運行を開始した。以降、ハノイとホーチミンの二大都市を拠点にネットワークを拡大し、ダナン、フエ、フーコック、ダラット、ハイフォンなど国内の17空港を結ぶまでに成長した。
その結果、バンブー・エアウェイズは就航から数年でベトナム国内シェアの20%を握り、フラッグキャリアのベトナム航空や格安航空会社(LCC)のベトジェットエアに次ぐ第三極としての地位を確立した。また、運行開始初年度の2019年には台北、高雄、ソウルに就航し、早くも国際線にも進出した。2022年1月にはハノイ~成田線を開設し、日本にも路線を持つようになった。
バンブー・エアウェイズの国際線ネットワークは、近距離の東アジアや東南アジアだけにとどまらなかった。2018年から近距離用のA320シリーズに加え、長距離運行用のB787も購入していた。そのため、ロンドンやフランクフルトなどの欧州路線や、シドニー、メルボルンといったオーストラリア路線も運行していた。特にロンドンのヒースロー空港には、非常に枠を取得しにくいなかで乗り入れており、その勢いのすごさが伺える。
さらに、2019年には総2階建て機のA380をリース導入する計画や、2024年現在でも存在しないベトナム~米国の直行路線の開設、JALとの提携なども視野に入れており、バンブー・エアウェイズはベトナム3番手の立場を超え、壮大な成長戦略を描いていた。