ベトナム「バンブー航空」はなぜ急失速したのか? 無謀過ぎた国際展開、元JALの取締役解任3か月という黒歴史も

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バンブー・エアウェイズの急速な縮小は、急激な拡大や長距離国際線進出が経営を圧迫したこと、さらにFLCグループ会長の逮捕が財政に打撃を与えたことが原因だ。ハイブリッドエアライン戦略も競争で不利となり、現在は国内線中心の運航に転換しているが、再建はまだ進行中だ。

問題点1:急拡大による複雑な機材構成

 バンブー・エアウェイズの急速な失速は、グループ会長の逮捕から始まる経営の混乱に起因しているが、それ以前のビジネス展開にも限界があったことは否定できない。

 業界ウォッチャーとして問題に感じるのは、同社の機材構成である。経営危機が表面化するまで、バンブー・エアウェイズは現在も使用しているA320シリーズ(A321neo、2022年まではA319-100も使用)に加え、長距離路線にはB787-9、短距離路線にはエンブライルのE190とE195を利用していた。しかし、異なる三つのメーカーの飛行機を所有していると、点検や補修の際に必要な部品の共通化が難しくなる。

 また、メーカーが異なると、パイロットを機材ごとにそろえなければならず、人員不足や人件費高騰のリスクもともなう。さらに、当時の機材は全て合わせても20~30機であり、大量購入による割引を期待することも難しい。

 新興エアラインにとって、少ない機材をいかに効率的に運行するかは、コスト抑制と路線網拡大において不可欠である。そのため、機材を複数のメーカーに分散させてしまうと、効率的に運行することは難しくなる。

 実際、初期段階で複数メーカーの機材を使用したために経営危機に陥り消滅した航空会社は多く、バンブー・エアウェイズもその例外ではなかった。

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