公共交通政策もはや「骨抜き状態」 コストコ大渋滞問題が暴いた「コミュニティーバス」の虚実! 地域交通の精神は一体どこへ行ったのか

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コストコの新店舗が開店したことで、沖縄の南城市で大渋滞が発生し、コミバスが10時間も遅延した。このバスは高齢者の移動手段として導入されたが、今回の混乱で本来の目的が見失われ、地域交通の問題が浮き彫りになった。他の地域でもLRT導入に同様の課題が見られ、地域交通政策の再考が求められている。

住民主体の交通戦略の必要性

地域を走るさまざまなコミバス(画像:写真AC)
地域を走るさまざまなコミバス(画像:写真AC)

 今後、日本の交通政策は、地域の実情に合わせた柔軟で持続可能な制度を作る必要がある。コミバスやLRTは重要な手段だが、ただ運行を始めるだけでなく、地域のニーズをしっかり把握し、戦略的に運営することが求められる。

 成功例をそのまま模倣するのではなく、地域住民との対話を通じて、彼らの気持ちや日常の活動、顧客満足度、使ってどれだけ幸福度が上がるかといった

「ユーザーエクスペリエンス」

をよく分析し、そこから地域交通手段を形にする努力が必要だ。つまり、地域交通にはトップダウンではなく、現場レベルから意見やアイデアを集め、それをもとに方針や決定を行う

「ボトムアップ」

のアプローチが欠かせない。

 残念ながら、政治家のマニフェストは経済活性化や福祉の質的向上に焦点を当てがちで、地域交通に力を入れる人は少ない。そのため、地域住民自身が声を上げ、住民ベースの地域交通作りに転換できるような努力が求められる。各自治体には地域公共交通の活性化協議会があるが、これを活用することも重要だ。

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