早田ひな「特攻資料館行きたい」は“戦争肯定”発言なのか? 中韓から大非難の現実、戦争博物館の教育効果を考える【リレー連載】平和産業としての令和観光論(7)

キーワード :
, , ,
戦争博物館を訪れることは、単なる観光にとどまらず、歴史を学ぶ貴重な機会だ。早田選手の発言によって起こった騒動は、訪問の意図や教育効果が多様であることを示している。戦争関連施設への理解を深め、興味からの訪問が必ずしも戦争を肯定することにはつながらないことを認識することが重要だ。

訪問者の多様な意図

知覧特攻平和会館(画像:写真AC)
知覧特攻平和会館(画像:写真AC)

 今回話題になった知覧特攻平和会館は、特攻について学ぶための場所であり、特攻隊員を祭る場所ではない。ここを訪れることが特攻を肯定する意味になるわけではなく、純粋に歴史を学ぶための博物館だ。

 今回の早田さんの発言について、彼女自身が詳細を説明していないため、真意は不明だが、

「単に特攻の歴史を学びたい」

という意図にすぎないと考えられる。この発言が話題になるのは一見すると奇異だが、戦争博物館や関連施設を訪れることが、ときにに意思表明と見なされることもある。

 毎年8月15日には、多くの政治家が靖国神社を訪れる。また、2016年5月には米国のオバマ大統領が広島を訪問し、平和記念資料館を見学した。このとき、オバマ大統領は核なき世界を訴え、反原爆や核兵器に対する反対の意思を示したといえる。

 ただし、靖国神社や平和記念資料館を訪れたからといって、必ずしも政治的な意志を表明するわけではない。なかには、政治的意図を持って訪問する人もいるだろう。このように、戦争関連施設には複雑な側面があることは確かだ。

 ただし、戦争関連施設を訪れる人々の多くは、政治や思想とは無関係に、単純な興味から訪れているだけだ。戦争関連施設を訪れることが戦争を肯定することに直結するわけではなく、そのように捉えるのは短絡的だろう。

全てのコメントを見る