早田ひな「特攻資料館行きたい」は“戦争肯定”発言なのか? 中韓から大非難の現実、戦争博物館の教育効果を考える【リレー連載】平和産業としての令和観光論(7)
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戦争博物館を訪れることは、単なる観光にとどまらず、歴史を学ぶ貴重な機会だ。早田選手の発言によって起こった騒動は、訪問の意図や教育効果が多様であることを示している。戦争関連施設への理解を深め、興味からの訪問が必ずしも戦争を肯定することにはつながらないことを認識することが重要だ。
戦争展示が持つ二面性

戦争博物館には、特定の思想が反映されていることが多いが、それをどう受け取るかは訪れた人次第だ。訪問者の目的もさまざまで、戦争を学びたいという人だけでなく、観光客や修学旅行、研修の一環として仕方なく訪れる人もいる。
博物館で展示を見て衝撃を受ける人も多いだろう。私自身(加藤博章、国際政治学者)、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を訪れたとき、広大な敷地に立って、ナチスの執念と人間の罪について考えさせられた。しかし、全員が同じように感じるわけではない。例えば、中国人民抗日戦争紀念館を見ても、日本軍を悪魔のように思うことはなかった。
結局のところ、戦争博物館を訪れたからといって、必ずしも教育効果があるとは限らない。欧米や日本では思想や信条の自由があり、教育を受けたからといって、必ずしも個人の考えがその教育に縛られるわけではないのだ。