北陸新幹線「大阪延伸」で着工5条件が骨抜き? 関西政財界からも「費用負担再検討すべき」の声、議論の手法に問題はなかったのか

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北陸新幹線の大阪延伸により、整備新幹線の着工5条件が形骸化する恐れが出てきた。いったいなぜか。

国交省が詳細ルート案を提示

与党PTに提示された大阪延伸の詳細ルート。北陸新幹線(敦賀・新大阪間)詳細駅位置・ルート図(案)京都駅周辺図(画像:国土交通省)
与党PTに提示された大阪延伸の詳細ルート。北陸新幹線(敦賀・新大阪間)詳細駅位置・ルート図(案)京都駅周辺図(画像:国土交通省)

 国交省が与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の北陸新幹線整備委員会に示した京都市の停車駅候補は3案。桂川駅のほかは、京都駅南の地下が予定地で、

・東西方向に設置する案
・南北方向に通す案

が出た。東西案は市営地下鉄烏丸線の下を通るため深さ約50mの大深度、南北案は通常の深さで地下にホームを置く。

 トンネルはシールド工法(シールドマシンと呼ばれる大型の掘削機を使って掘り進める工法。主に都市部や地下水位が高い地域での建設に利用される)で進める。懸念の声が出ている地下水への影響について、国交省は提出資料で

「影響を解析したところ、地下水位低下域の発生が予測されなかった。地下水への影響は発生しない」

とデータを示さずに断言した。

 東西案と南北案は在来線への乗り換えに便利だが、福井県敦賀市から大阪市を結ぶ小浜・京都ルート全体の概算事業費が3.7~3.9兆円かかり、桂川案の約3.4兆円を上回る。桂川案は都駅で在来線に乗り換えるまでに

「20分近くかかる」

のが難点だ。

 概算事業費は将来の物価上昇を考えれば、最大5.3兆円に膨らむ可能性があると試算された。2016年試算の2.1兆円と比べれば2倍以上。工期も15年から最長28年に伸びた。社会情勢の変化でさらなる増額も考えられ、このままでは整備新幹線の着工5条件を満たすことが難しい。

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