「EV失速」は間違い? メディアの単なる“切り取り報道”か? 本当に失速しているのか【リレー連載】ビーフという作法(2)
2024年上半期、テスラとBYDのEV販売減少が報じられたが、グローバルでのシェアも増えている。報道の「EV失速」表現は誇張されており、季節変動を無視したデータ比較が影響。冷静なデータ分析が求められる。
批判点3「世界的にEV販売は失速」

季節変動を考慮せずに、
「EV需要に踊り場」
「EVからハイブリッドへ需要転換」
など、EV販売失速があたかも自動車市場における最新トレンドであるかのごとく定着し始めている。
EV販売失速の根拠には、テスラやBYDによるEV販売の下振れが例として挙げられるが、本当にEV市場は失速しているかを検証した。
英調査会社「RHO MOTION」は2024年7月、2024年上半期(1~6月期)の世界EV販売台数を発表した。全世界のEV販売台数は700万台で前年比プラス20%だった。地域別では、
・中国:410万台(前年比30%増)
・欧州:150万台(同1%増)
・北米:80万台(同10%増)
・その他:60万台(同26%増)
となる。
2023年上半期は580万台(前年比39%増)で、前年比は39%増から20%増とほぼ半減したものの、販売台数は前年から120万台ほど増えている。前年比の伸びが鈍化したことを捉えて「EV失速」とするのは、表現の誇張ではないだろうか。
このような誇張によって、世界的に販売台数が着実に増え続けているEV販売を「失速」とミスリードしてしまうことが、自動車業界全体に起こっている。