「EV失速」は間違い? メディアの単なる“切り取り報道”か? 本当に失速しているのか【リレー連載】ビーフという作法(2)

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2024年上半期、テスラとBYDのEV販売減少が報じられたが、グローバルでのシェアも増えている。報道の「EV失速」表現は誇張されており、季節変動を無視したデータ比較が影響。冷静なデータ分析が求められる。

批判点2「BYDもEV販売失速」

BYDによる四半期ごとのEV販売推移(画像:ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成)
BYDによる四半期ごとのEV販売推移(画像:ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成)

 前述の記事では、

「販売が落ち込む2月の春節(旧正月)休暇の影響を踏まえれば、昨年10~12月と今年1~3月の単純比較は難しいとの指摘もある」

とも書いている。

 他のメディアも同様で、2024年に入ってEV販売が失速したという報道が目立っている。需要変動を語る上では

「季節変動」

を考慮しなければならないはずなのに、なぜかそれには触れずに単純比較している報道が散見される。

 ブルームバーグによると、2024年4~6月期のBYDのEV販売台数は、42万6000台(前年同期比21%増)だった。前年の10~12月期と1~3月期の変動幅を比較した場合、2022年から2023年の変動幅が20%減だったのに対して、2023年から2024年は43%減で、2024年に入ってから落ち込みが激しかったといえよう。

 しかしながら一方で、2024年上半期では前年を18%ほど上回っており、EV販売は失速するどころか、右肩上がりで伸び続けている。

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