率直に問う! 日産&ホンダの「車載ソフト共通化」は本当に成功するのだろうか?
日産とホンダは、2024年7月に車載OSの共通化を発表。複数のECUを統合する汎用車載OSを開発し、コスト削減とシステムの標準化を目指す。これにより、自動車の機能統合やアップデートが容易に。将来的には、パソコンやスマートフォンのように車載OSの標準化が進む可能性がある。
車載OSの標準化進展の予兆

汎用車載OSの開発は、ようやく始まったという段階であり、各自動車メーカーが独自の車載OSを開発している。しかし、将来的には、パソコンOSやスマートフォンOSのように、車載OSでも標準化が進むかもしれない。
これに限らず、OSの性能は、システムのスピード、ユーザーインターフェースの使いやすさ、開発環境の利便性など、製品やシステム全体に影響する。パソコン用OSといえばウインドウズが主流だが、ウインドウズ95の登場により、それまで数多く存在したパソコン用OSは一気に淘汰(とうた)された。
ウインドウズ向けにシステムや製品を開発すれば、世界中のパソコンで同じ機能を提供することができるし、その操作性やインターフェースに慣れたユーザーにとっては、製品の使いやすさに大きなメリットがある。
スマートフォンの分野でも、アンドロイドとアイフォーンが二大巨塔となっているが、アンドロイドスマートフォンの操作感に慣れたユーザーにはアイフォーンは使いにくく、スマートフォンの買い替えにも影響している。
今後、各自動車メーカーが汎用的な車載OSを導入すれば、システムの優秀さやユーザーインターフェースの使いやすさで比較され、よりよいシステムに多くのメーカーが統合される未来があるだろう。
日産とホンダの車載OSの共通化は、その先駆的な動きであり、基幹システムのみの共通化につながるのか、ユーザーインターフェースを含めたシステム全体の共通化につながるのかはわからないが、非常に興味深い事例である。
日産とホンダの協業はまだ始まったばかりであり、今後の展開に期待したい。