率直に問う! 日産&ホンダの「車載ソフト共通化」は本当に成功するのだろうか?
汎用車載OSで開発コスト削減

この分野では、パソコン用OSとして有名なウインドウズやマックの汎用性が極めて高く、コンピューター関連業界が先行してきた。スマートフォン向けOSも、ここ10年ほどの間に年々機能が向上しており、リナックスベースのアンドロイドOSやアイフォーン向けのアイOSなどが有名だ。
これらのOSの利点は、ひとつのOSでパソコンやスマートフォンのシステムをすべて制御でき、OSに対応したソフトを開発することで、新機能の追加やアップデートが容易にできることである。
これに対し、現在のクルマのシステムは、ウインドウズのパソコンとアンドロイドスマートフォンが接続され、相互に通信を行い、クルマのシステム全体が複数のOSで構築されている。
この状況を、汎用車載OSを搭載することで統合しようというのが開発の狙いだ。クルマに搭載されたさまざまな部品を同じOSをベースに制御できれば、車種間での部品の共通化や制御システムの簡素化につながる。
また、安全制御システム、自動運転システム、ナビゲーションシステム、オーディオシステムなどが同一のOSで制御されることになるため、車両購入後であっても車載OSをアップデートすることで、これらのシステムの改良や追加ソフトの導入が可能となる。汎用的な車載OSと通信機能の開発により、真のコネクテッドカーが誕生する。
日産とホンダはこの共通化を目指しており、その先には両社のシステムや部品の共通化が可能になる。同じアンドロイド・スマートフォンでもメーカーによって機能が異なるように、クルマ全体のシステムや機能、部品がすべて統合されるとは限らないが、主要なシステムが共通化されれば、両社の開発コストは削減される。
原理的には、日産車のパーツをそのままホンダ車に搭載することも可能で、車載OSのソフトを変えるだけで、車種に合わせた調整がすぐにできるようになるなど、発展性のある技術開発である。