EV市場いよいよ「成長期」へ テスラの充電インフラ開放が示すモノとは【連載】和田憲一郎のモビリティ千思万考(8)
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テスラは、同社独自の急速充電スタンドを他EVユーザーにも開放したと発表した。そこには、EV市場のフェーズが移り変わりつつある状況が見て取れる。
車両本体の勝負が普及を加速させる
しかし、ここで誤解を招かないように説明しなければならない。上記の話は規格の話である。
テスラは2021年で約94万台を販売した世界最大のEVメーカーである。今後もテスラユーザーへの利便性提供、充電時における車両走行情報の把握、他EVユーザーへのサービス提供とテスラファンの獲得などを目的として、スーパーチャージャー設置を拡大し、他EVユーザーへも順次開放していくのではないかと推察する。
EVが成長期に突入するにつれ、テスラのみならず、EVベンチャーなどが新たな急速充電規格を立ち上げようとしても、IEC準拠など国際規格としての認知度や自動車メーカー相互の協力がないと、市場からは受け入れられない。
もはや初期の充電規格に関する陣取り合戦は終わりを告げ、その地域規格に基づき、いかにEVを普及させていくかの段階に入ったように思われる。