秋葉原がもはや「オタクの聖地」ですらなくなった根本理由
「アキバ系ユーザー」の激変

2002(平成14)年になると『週刊エコノミスト』が「秋葉原、変貌!「アキバ系ユーザー」って知ってるかい?」と題した特集のなかで、こう記している。
「「アキバ系ユーザー」--この言葉を聞いて、どんなユーザーを連想するだろうか。パソコンオタク? それともパーツを探し求めるマニア? あるいは、家族連れで家電を買いにくる人たち?答えは、どれも間違い。いまや、アキバ系ユーザーとは、美少女アニメソフトなどを購入する「美少女アニメオタク」や、フィギュア(人形)を購入するマニア層のことを指している。「秋葉原で商売をやっている限り、もはや美少女アニメソフトを無視するわけにはいかなくなった」 秋葉原の中央通り沿いに店を構えるある大手パソコンショップの店長は、こう話す。美少女アニメソフトとは、少女を題材にしたアニメによるパソコン用ゲームソフト。一般のゲームソフトに比べて、ややお色気を含んだゲーム内容になっているのが特色だ。実は、この言葉の裏に、世界に名だたる「アキバ」が、いま、大きな転換期を迎えていることが示唆されている。秋葉原といえば、「電気街」というのが代名詞。だが、秋葉原で働く電気店関係者の口からは、「アキバが家電の街とか、パソコンの街とは言い切れない場所になってきている」という声が異口同音に聞かれるのだ。」(『エコノミスト』2002年3月26日号)
ここからは、秋葉原のイメージの変化が端的にわかる。まだ、オタク文化が現在ほど大衆化していなかった中で、アニメやゲーム、フィギュアなどを扱う店舗がビルの1フロア丸ごとを占拠する。それだけでビジネスとして成立している様子がみられるようになったことは、まさに劇的な変貌であった。同年、東京新聞も「TOKYO発 秋葉原 オタク電気街」という記事のなかで、こう記している。
「アニメのゲームソフトやフィギュア(人形型キャラクター)、人気キャラクターを主人公にした漫画同人誌などを扱うマニア向けの店が急増」「フリルの付いたメード服や人気アニメゲームの美少女キャラクター…。電気街の外れにあるコスプレ(コスチュームプレー)喫茶「カフェ メイリッシュ」(千代田区外神田)に入ると、そんな仮装をしたウエートレスが迎えてくれる。開店は昨夏。月に5000人が来店する盛況ぶりで、入店待ちの行列ができる日も多い。」と報じている。(『東京新聞』2003年3月11日付朝刊)
この頃には、もはや秋葉原のオタク街化は決定的となり広く認知されていたことがうかがえる。かつ、多くのメディアは、その盛況ぶりは驚きをもって興味深く捉えていた。