せまい日本、そんなに急いでどこへ行く? 今こそ見直したいフェリー「スロートラベル」の魅力 旅客獲得に向けた戦略とは【短期連載】海洋国家にっぽんのフェリー進化論(3)

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日本のフェリーは観光・旅行の重要な役割を果たしている。中長距離フェリーはゆったりした設備で豪華な旅を提供し、インバウンド需要も増加している。

船内施設の充実

さんふらわあ くれない(画像:商船三井さんふらわあ)
さんふらわあ くれない(画像:商船三井さんふらわあ)

 一般的に、経済が成長するとともに、旅客設備やサービスに対するニーズが高くなる。フェリーも、世代交代にあわせて、その時代の要求に見合った設備へと進化していった。

 例えば、2023年にデビューした大阪~別府航路の「さんふらわあ くれない」は、最も安い基準運賃でも、

「カプセルホテルなみのベッド」

が用意されている。また、プロジェクトマッピングも楽しめる吹き抜けのアトリウム、売店・レストラン、パウダールーム、展望浴場、キッズコーナーとパブリックスペースも充実している。

 大阪~別府航路は、大阪発も別府発も夕方に出航して早朝に到着するダイヤでありながら、ここまで設備を充実させているのだ。旅客サービスに対する運航会社の気合の入れようが伝わってくる。

 もちろん、どの航路も近年旅客サービスに力を入れており、レストランのメニューひとつとっても、地域の食材や郷土料理を取り込んで特色を出している。

 航路によっては昔ながらの雑魚寝部屋もあるが、床面の配色を工夫してスペースを区切り、頭部にパーテーションを設けるなどしてプライベートの確保に配慮している点が、明らかにひと昔前とは異なるといえよう。

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