「停車前に立たないで」 バスドライバーを精神的に苦しめる“乗客転倒事故”の危険性、解決策はあるのか【連載】ホンネだらけの公共交通論(12)
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- バス, 路線バス, 2024年問題, ホンネだらけの公共交通論
バスの乗客転落事故は深刻な問題だ。ドライバーにとって再び大きなストレス要因となっている。これをどう解決すべきか。
技術と政策の両面対応

バス車内で乗客が転倒事故を起こした場合、ドライバーの責任は避けられない。近年はDX化の進歩により、車内の状況を撮影し、随時データを保存することが可能になっている。プライバシー保護の観点から、
「何でもかんでも記録すること」
についてはさまざまな意見がある。しかし、筆者が調査で路線バスに乗ると、
・バスが完全に停車する前に立ち上がって降車ドアに進む乗客
・つり革や握り棒を使うように指示されても使わない乗客
・長距離路線でシートベルトを着用しない乗客
は後を絶たない。ドライバーが厳然と注意しても、乗客の意識を改善することは難しいし、彼らの完全な過失を証明することも難しい。
バス事業者はドライバーの教育に十二分に取り組んでいる。重要なのは、ドライバーが運転しやすい環境を社会が整えることだ。前述したような
・乗客の意識改革(ドライバーに気を使わせない)
・過剰なホスピタリティを減らす改革(安全運転に集中させ、サービス性を問わない)
といったソフト面の改革とともに、技術面での支援が必要だ。技術・政策の両輪バックアップで、ドライバーのストレスを軽減し、離職率を下げ、人手を維持していきたいものである。