「常識的な隊員も多いのに」 陸自“大東亜戦争”SNS投稿を生み出した3つの組織病理、元中級幹部自衛官が解説する

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自衛隊の行動が問われている。陸上自衛隊第32普通科連隊がSNSで「大東亜戦争」という言葉を使ったのだ。発言を支える三つの要素とは。

できない打算

陸上自衛隊のウェブサイト(画像:陸上自衛隊)
陸上自衛隊のウェブサイト(画像:陸上自衛隊)

 自衛隊でこのような振る舞いが出てくる背景は以上のとおりである。

 つけ加えれば、打算としての損得勘定も甘い。本人の思想はおこう。内心で右派思想を持つのは本人の自由である。ただ、

「それを表明すれば自衛隊はどうなるか」

の思慮はない。

 外に向けて「大東亜戦争」をいい出せば部内で使えなくなる。侵略戦争の実態に目をそらしたままで兵学だけ進めるための工夫としての自己欺瞞(ぎまん)も使えなくなってしまう。

 靖国参拝の影響はそれよりも大きい。革新陣営でも慣習として認めている伊勢神宮や所在地の神社への参拝、海自なら艦内神社に問題が波及する可能性がある。

 閉ざされた世界であり、自ら住む楽園をも毀損(きそん)する行為である。それにも気づかないのである。

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