古き良き「日本車」が北米で再評価されるのは、当然? カスタム文化の“最前線”を考える
最近、北米で古い日本車の人気が高まっていることがメディアを通じて知られるようになった。その背景には何があるのだろうか。
北米で再び輝く日本の走りのDNA

さらに、この頃になると、米国の若いカービルダーたちのなかには、古い日本車に特別な感情を抱くようになり、1960年代から70年代の日本の走りを模した改造を施すようになっていた。
前述したように、北米ではもともとフェアレディや510ブルーバードが人気だったが、初代トヨタ・セリカ、ハコスカ2000GT、GT-R、いすゞ・ベレットなど、日本ではほとんど見かけなかったクルマが北米に高値で売れた。
歴史的に重要なモデルの人気が高まり、それをモチーフにしたカスタムが作られるようになったのは、特に日本車に限ったことではなかった。米国車や欧州車で行われていたことが、日本車にも広がっていったというだけの話である。
一方で、日本車の人気の高まりは、北米らしくないカスタマイズ文化をも生み出した。その一例が日本の軽自動車のカスタマイズである。ちなみに、日本の軽自動車は1960年代初頭から限定的に北米に輸出されていた。こうした軽自動車を中心とした自動車趣味はあったが、とりわけマニアックなものであったことは否めない。