運転免許保有者が減っているのに、「教習所の卒業生」が増えている理由
2020年から2021年にかけて、教習所に通って運転免許を取得した人は、全国で160万人から172万人に増加した。今後、どのような運転免許が増えると予想されるのか。
教習所利用の増減と統計
コロナ禍は市民生活から企業の経済活動まで大きな影響を残した。しかし、問題が顕在化した2020年からすでに4年近くが経過。感染はいまだ続いているものの、社会は落ち着きを取り戻しつつある。
コロナ禍の間、ソーシャルディスタンスは、通勤や通学に公共交通の利用を避けるという行動をもたらした。その結果、混雑した電車やバスを避け、自家用車やバイク、自転車といった個人的な交通機関の利用が増えた。
実際、警察庁がまとめた運転免許統計によると、コロナ禍が本格化した2020年から2021年にかけて、運転免許を取得するために指定教習所に通った卒業者数は、全国で160万2206人から172万3923人まで
「7.6%増加」
した。しかし教習所に通うこと自体が感染リスクを高めるため、2022年には163万4633人まで5.2%減少した。
教習所関係者にとっては想定外の消費行動であったことは否めない。コロナ禍が完全に収束するまで、事態は収拾がつかなかった。教習所関係者の多くは落胆を余儀なくされた。
前述の統計は2022年までであり、最新のデータを示すことはできないが、全国の指定教習所は徐々にかつてのにぎわいを取り戻しつつあるといわれている。