路線バスを諦めるな! 車両や営業所の「空きスペース」を有効活用すれば、稼ぐチャンスはまだまだある【連載】ホンネだらけの公共交通論(5)
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公共交通事業者は固定観念をなくし、未来のあるべき姿を整理し、それを実現する方法を考えるべきだ。
求められる未来志向のデザイン

「2024年問題」で公共交通事業は大打撃を受け、「鉄道やバスには希望がないとか、もう終わった」などいわれ始めているが、筆者はまったくそうは思わない。今回の実験のように、少し頭をひねれば公共交通にはまだビジネスチャンスがある。
以前も書いたが、
・車両を柔軟に運用する手法
・バスとタクシーの協働の様なモードを越えた融合的手法
・今回示したインフラの新たな活用
など、アイデアはたくさんある。公共交通事業者には、固定観念をなくし、未来のあるべき姿を整理し、それを実現するためにどうすればいいかを考えてほしい。これを専門的には「スペキュラティヴ・デザイン(探索的デザイン)」と呼ぶ。
つまり、バックキャスティング(理想的な未来を描き、そこから逆算して取り組むべき活動、その優先順位を決定する手法)で新しい公共交通の環境づくりを考えてほしい。また、事業者には、官と学と連携した実験にも臆せず積極的に取り組んでほしい。