「MRJ敗北」から日本は復活できるか? 経産省が国産旅客機の再挑戦発表、海外「軍産複合体」対峙に求められる大きな覚悟

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次世代国産航空機に関する経済産業省の発表は歓迎すべきニュースだ。過去にこだわらない進歩は前向きに評価されるべきだ。

航空機製造の潜在能力

大韓航空のYS-11。1971年に大阪国際空港で撮影されたYS-11Aは、実際に韓国と日本を結ぶ定期国際便を運航していた(画像:Japangyro)
大韓航空のYS-11。1971年に大阪国際空港で撮影されたYS-11Aは、実際に韓国と日本を結ぶ定期国際便を運航していた(画像:Japangyro)

 とはいえ、日本にもかつてYS-11という実際に飛んだ国産機があったし、ボーイング787のような最新鋭機には日本メーカーの部品が多く使われている。技術的に見ても、日本が国産機を作れない理由はない。しかも、日本は第2次世界大戦当時、世界最先端の戦闘機であった「ゼロ戦」を生み出した国である。その潜在能力を疑うべきではない。

 新たな開発研究に挑戦すれば、その経験を他の製品の開発にも生かすことができるだろう。コロナ禍が収束した今、国内外を問わず“移動需要”は急速に高まっている。航空機の需要も高まっている。このような有望な市場を逃すことは、国益にとって大きな損失となる。

 また、いつまでも航空機の“買い手の立場”にとどまっていては、航空会社の経営が安定しない。メーカーの価格交渉力は増すばかりで、航空会社はその負担でマイナスの影響を受けるだろう。

 航空会社はまた、国益の面でも重要な役割を果たしている。自国の航空機を利用できれば、航空機納入の面でも価格交渉の面でも有利になる。自国の航空会社の国際競争力を維持・向上させるためには、自国の航空機が国際的に広く使用され、規模の経済が働いて製造コストが下がり、国際競争力がさらに高まることが望ましい。

 しかし、戦後の敗戦国対策によって軍事的必要性に関わる技術開発が中断され、技術開発が大幅に遅れている。特に、基礎技術開発の遅れを取り戻すことは困難である。そのため、国を挙げての統一的な開発体制を構築する必要がある。

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