北陸新幹線「敦賀延伸」 総事業費1.7兆円の代償とは? 「早く着く = 良い」ってビジネスマンの発想ですよね
モビリティの新しい世界へ、楽しく乗り出そう――。いつものニュースにはもう飽きた。だからこそ、本連載では新たなモビリティへの案内を始めたい。ゆるくても、本気。非専門ライターが描く、ユニークな目線と世界がここにある。
経済効果とのバランスに疑問符

北陸新幹線が3月16日、福井県敦賀市のJR敦賀駅まで延伸した。日本政策投資銀行によると、石川・福井両県への経済効果は年計588億円という。年明けから能登半島地震、羽田空港の炎上事故、今も続く政治とカネの問題等々、暗いニュースが続いていたが、ようやく心温まるうれしいニュースが届いた。
……と思った人は多いだろう。都内在住の私(西谷格、フリーライター)も当初は
「へー、良かったね」
ぐらいに思っていた。だが、よくよく考えて見ると、どうも喜んでばかりいられない話のようなのだ。
さて、建設費はいったいいくらかかったのだろう。と思い、インターネットで検索すると、ギョッとするような数字が出てくる。
2012(平成24)年に金沢~敦賀間の着工が認可された際の工事費は8968億円。その後、御多分に漏れず予算は膨張して1兆6779億円まで跳ね上がった。JRは今後、敦賀から新大阪までの延伸を目指しているが、それにはさらに2兆1000億円もかかるという。敦賀延伸の工事費が当初予定の約2倍に膨らんだことを考慮すれば、大阪延伸の工事費も実際は4兆円ぐらいになるかもしれない。
「これ、本当に必要なのだろうか」
そもそも、金沢~敦賀の延伸も必要だったのだろうか。
福井・石川の経済効果「588億円」が仮に永続的に続くとして、工事費を取り戻すには単純計算で約30年かかる。だいたい、こういう時の経済効果は
「大風呂敷を広げていることが多い」
ため、実際は半分程度と考えたほうが現実的だろう。となると、元を取るのに半世紀以上の月日を要することになる。