電車の「端っこ席」はなぜ人気なのか? すでに座っている人も、席が空くとすぐに移動しますよね

キーワード :
列車の最後尾の席は非常に人気がある。その理由は、片側が「袖仕切り」になっているためで、隣の人との接触が減る。

袖仕切りに関する研究

都営三田線「6500形」(画像:東京都交通局)
都営三田線「6500形」(画像:東京都交通局)

 この大型の袖仕切りを導入しているのは、都営地下鉄三田線だけではない。

 論文の対象となっている西日本鉄道天神大牟田線にも大型袖仕切りが一部導入されていて、アンケートでも、金属パイプでできたものや、壁(板状)になっているが低い袖仕切りよりも人気が高く、その理由は壁の向こうの乗客と接しない「パーソナルスペース」が理由となっている。

 例えば小田原電鉄の小田急線でも、強化ガラスを素材にして圧迫感を与えないように配慮しつつ、大型化した袖仕切りを採用している。やはり袖仕切りの両サイドに位置する乗客同士の接触によるトラブルを防ぐべく、よい高さを研究したという。

ほかにも、ガラス製でなくとも透明感のある素材を使ったものなど、大型袖仕切りは全国さまざまな電鉄会社で近年導入が続いている。

大型袖仕切りの意味

立ち席位置の選択肢。「通勤型車両のユーザー評価の分析」より(画像:迫坪知広)
立ち席位置の選択肢。「通勤型車両のユーザー評価の分析」より(画像:迫坪知広)

 袖仕切りの大型化は、乗客間のトラブルを防ぐためだけでなく、安全上の理由からも導入されている。JR西日本のリポートにも、袖仕切りを大型化した理由として

「身体の一部に衝撃力が集中しにくい形状に見直し」

と書かれている。

 電車が衝突すると、衝突面方向に体が動き、袖仕切りにぶつかることになる。パイプタイプであれば胸を強打しやすい。

 鉄道総合技術研究所の小美濃幸司(おみの こうじ)氏、中井一馬氏、白戸宏明氏による「通勤列車衝突事故被害軽減のためのそで仕切り高さに関する考察」には、パイプ状の袖仕切りよりも壁状(板状)の方が、また壁が高い方が

「胸部傷害」

が起こりにくいとある。

 大型化した壁のある袖仕切りは、安全面でも優れている。壁を透明化させることで、犯罪が起こりやすくなることも防げるので、このタイプの袖仕切りがベストなのではないだろうか。

全てのコメントを見る