電車の「端っこ席」はなぜ人気なのか? すでに座っている人も、席が空くとすぐに移動しますよね

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列車の最後尾の席は非常に人気がある。その理由は、片側が「袖仕切り」になっているためで、隣の人との接触が減る。

都営地下鉄三田線の車両

大型化した壁タイプの仕切り。「通勤型車両のユーザー評価の分析」より(画像:迫坪知広)
大型化した壁タイプの仕切り。「通勤型車両のユーザー評価の分析」より(画像:迫坪知広)

 筆者(古宮宗、フリーライター)は最近、都営地下鉄三田線に乗ったのだが、それは見るからに新しい車両で、随所にユニバーサルデザインが施されていた。

 立つ人に向けて、さまざまな高さのつり革が用意されているなか、低いものはかなり低い。6人がけのシートでは、席に座りやすく、立ち上がりやすくなるような、縦の手すりが両端含め計4本、どの席にいても使えるように配置されている。もちろん、立っている人もつかまりやすい。

 荷棚が一般的な車両より低くなっていて誰でも使いやすそうなのは、ぱっと見でわかるほどだ。個人的に一番興味を持ったのは、座席の端の仕切り、正式名称

「袖仕切り」

が高くなっているところだった。座っている大人の頭がはみ出るか出ないかくらいの高さだ。

 調べてみると、この6500形車両は2022年に導入されており、その年のグッドデザイン賞を受けている。つり革や荷棚の位置、ガラス製袖仕切りの圧迫感のなさなどが評価された。

 三田線では、新型車両のほか、旧型車両においても袖仕切りの大型化を順次実施しているという。それも、東京都交通局に、

「座席の一番端の席に座っているときに、他の乗客のカバンや髪の毛があたる」

といった声が利用者から届いたからだった。

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