中国車を恐れる米国! 悪意あるハッカーが「コネクテッドカー」乗っ取る危険性? それでも中国とは上手くやらねばならないワケ

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近年、注目を集めているコネクテッドカー。ただ、悪意のあるハッカーによるハッキングが懸念されている。米商務省はこの問題に最も神経を尖らせている。

米国商務省の懸念

コネクテッドカー(画像:総務省)
コネクテッドカー(画像:総務省)

 コネクテッドカーに関連する懸念は何か。それは、

「悪意を持ったハッカーによるハッキング」

である。この件に関して、現時点で最も神経を尖らせているのは米国商務省といわれている。

 実際、2024年2月28日、ジーナ・レモンド米国商務長官は記者会見で、コネクテッドカーがハッキングされれば、米国内の数十万台のクルマが操作不能に陥る可能性があると懸念を表明した。

 これは具体的に何を意味するのだろうか。この懸念は、自動車業界内の技術的な懸念にとどまらず、国家安全保障の問題にまで及ぶという。

 例えば、世界中に輸出されている数多くの中国製自動車のうち、特に電気自動車(EV)にはコネクテッド機能が搭載されているものが少なくない。その数はすでに数十万台に達している。

 これらの車両には盗難防止機能が搭載されており、必要に応じてインターネット経由で機能停止命令を出すことで、ドライバーの意思に関係なく車両を走行不能にすることができる。実際、米国ではコネクテッド機能を搭載したクルマの一部機能が遠隔操作される事件が複数発生している。

 過去のこうした事件は、ハッカーならではの

「可能性があることに対しての挑戦」

という、一種の遊びだった。つまり、明確な悪意はなかった。

 しかし、今回米国商務省が想定しているのは、そんな単純なものではない。彼らが懸念したコネクテッドカーのハッキングは、明確な悪意を持って行われるある種の“テロ行為”に等しいのだ。

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