いくら何でも作り過ぎ? 大都市で「コインパーキング」が急増している根本原因

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近年、身近な投資対象としても注目を浴びているコインパーキング。そもそも、なぜコインパーキングはここまで急増したのだろうか。その背景を探る。

大都市部の空き家問題も追い風に

小さなコインパーキング(画像:写真AC)
小さなコインパーキング(画像:写真AC)

 そうしたライフスタイルの変化は、ビジネスにも大きな変革を促した。マイカー所有の前提が崩れると、スーパーやファミレスの店舗用駐車場でもコインパーキングとの兼用が見られるようになった。

 自動車を保有しない世帯の増加という社会事情に加え、昨今はマイホーム信仰も薄まりつつあることで駐車場を巡る新たな問題も浮上している。本来、戸建てのマイホームには駐車スペースがつきものだったが、昨今の賃貸マンションは必ずしも駐車場が台数分確保されているわけではない。それが住宅街で駐車場不足を引き起こし、コインパーキングが続々と誕生する素地(そじ)が生まれた。

 社会的な背景以外にも、コインパーキングが急増した理由はいくつかある。業界が狭小地・変形地にも対応できるように設備を進化させてきたことも大きい。

 例えば、大型駐車場では効率のよく出入りできるゲート式が導入され、狭小地・変形地では無駄なくスペースを活用する工夫として出入り口を必要としないロック板式を導入するといった具合だ。また、近年は東京・大阪といった大都市部でも空き家問題が深刻化している。相続の問題なども絡み、土地の有効活用という面からコインパーキングへの転換が進む。

 さらに、コロナ禍による変化の兆しも出てきた。在宅ワークが推奨される昨今、副業として隙間時間にできると思われがちなコインパーキング経営が注目を浴びた。

 コインパーキング投資に注目が集まったのは、あまたある不動産投資のなかでも住宅や商店には不向きな狭小な土地でも始められること、設備投資が少額で済むといった理由から参入ハードルが低いことが理由として大きい。最初は副業的にコインパーキング投資を始め、そこから脱サラして個人事業としてコインパーキング経営へとシフトする事例も目立つ。

 コインパーキング投資ブームという追い風もあり、近年は駐車場も供給過多の時代に入ったといわれる。他方、当局からは投資によって増えたコインパーキングは収益が悪化するとすぐに閉鎖してしまうから安定的な交通政策にはつながらないとの声も聞かれる。

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