「ファミリーカー」はもはや死語? 都市部の30~40代ファミリー層“約5割”がクルマを所有していないという現実
自動車メーカーは子育て世代をターゲットに「ファミリーカー」を市場に投入している。しかし、地方ではクルマは必需品かもしれないが、公共交通機関が発達している都市部では所有するハードルは高い。
子育て世代の日常

子育て世代にとって、クルマは欠かせないアイテムのひとつだ。
買い物や通院、送り迎えなど、日常生活でもクルマに乗る機会は独身時代よりも増える。クルマは日常生活の一部であり、ファミリーの思い出に欠かせない存在である。
自動車メーカー各社はこれまで、子育て世代をターゲットに「ファミリーカー」を市場に投入してきた。ただ、地方でクルマは必需品かもしれないが、公共交通機関が発達している都市部では、所有するハードルは高いといわざるをえない。
不要派の理由

ピアッザ(東京都中央区)が運営する地域SNS「ピアッザ」内で2021年10月に実施した「都市部30~40代ファミリー層の自動車の所有やニーズに関する調査」(回答者1088人)の結果によると、首都圏・近畿圏・愛知県などの都市部の30~40代ファミリー層で、クルマを所有していない人の割合は49%と高く、東京23区に限ると
「67%」
にのぼることがわかった。
アンケート対象者のうち、ひとり暮らしが6%、親との同居が6%であることを考慮しても、所有率の低さは際立っている。世帯人数別にクルマを所有していない割合を見ると、
・ひとり暮らし:75%
・ふたり暮らし:62%
・3人暮らし:51%
・4人暮らし:45%
・5人暮らし:30%
となった。
ファミリーの人数が多いほどクルマを必要とする場面は増えるが、都市部で所有するメリットを感じないため、3~4人ファミリーの所有率はあまり高くない。
なお、同調査の「車を所有しない理由」という質問に対する回答で最も多かったのは、
「公共交通で事足りる」(81%)
だった。次いで「購入費・維持費がかかる」(71%)、「利用頻度が少なくレンタカーやカーシェアで充足」(48%)、「駐車場事情」(39%)となっている。